セブンスデー・アドベンチスト教会とは 教義、活動、歴史etc


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今回はセブンスデー・アドベンチスト教会(Seventh-day Adventist Church)の紹介をします。

なお

当サイトは宗教への理解を目的としており、特定の宗派の信者を増やす力はもっていません。

というわけで、まずはセブンスデー・アドベンチスト教会の客観的なデータを記述します。

  • 指導者】エレン・ホワイト
  • 設立年】1860年
  • 創設地】アメリカ合衆国ミシガン州
  • 略称】英語:Adventist  日本:SDA、セブンスデー
  • 信徒数と活動国数】2000万人以上と209の国々

日本ではかつて第七日安息日基督再臨教会(だいなのかあんそくびきりすとさいりんきょうかい)と呼ばれていました。

なんだかわかりにくいと思う方もいるかもしれませんが、実はこの名前は非常にわかりやすいです。

順を追って説明しますが、今のところは、

「第七日の安息日」「キリストの再臨」

がセブンスデー・アドベンチスト教会を理解するうえでの大きなポイントになると思ってください。

1.イエスの約束とアドベンチスト派の登場

まずはセブンスデー・アドベンチスト教会の成り立ちから書いていきます。

冒頭でも言った通りイエス・キリストの再臨(アドベント)が深く関わってくるので、これについて解説しましょう。

イエス・キリストの再臨の根拠は聖書にありました。

あなたがたは、心を騒がせないがよい。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう言っておいたであろう。あなたがたのために、場所を用意しに行くのだから。そして、行って、場所の用意ができたならば、またきて、あなたがたをわたしのところに迎えよう。わたしのおる所にあなたがたもおらせるためである。(ヨハネによる福音書14:1-3)

これは最後の晩餐の席でのイエス・キリストの言葉です。翌日イエス・キリストは十字架に架けられて処刑されるのですが、

  • あなたがたのために、場所を用意しに行く → 神の所へいったん戻りクリスチャンが住む家の準備をする。
  • またきて、あなたがたをわたしのところに迎えよう → 準備が終わったらクリスチャンを迎えに行く

イエス・キリストはこのような再臨の約束をするのです。

POINT

最後の晩餐】イエスが処刑される前夜に、弟子たちと一緒に食した夕食のこと。

では、再臨(アドベント)はどのように行われるのでしょうか。

見よ、彼は、雲に乗ってこられる。すべての人の目、ことに、彼を刺しとおした者たちは、彼を仰ぎ見るであろう。また地上の諸族はみな、彼のゆえに胸を打って嘆くであろう。しかり、アーメン。(ヨハネの黙示録1:7)

ところが、人々にとって非常に都合が悪いことがあります。

その日、その時は、だれも知らない。天の御使たちも、また子も知らない、ただ父だけが知っておられる。(マタイによる福音書24:36)

再臨の時は神のみぞ知り、人間にはわからないのです。

であるからこそ、イエス・キリストの再臨待望論はいろいろな時代や場所で巻き起こるのですが、

その中でも

大規模な再臨運動はアメリカでウィリアム・ミラー(1782-1849バプテスト派)の指導のもと行われました。

※バプテスト派については

ウィリアム・ミラーは数回イエスの再臨を予言したものの、それらはことごとく外れてしまいます。

この出来事は多くの人々を失望させましたが、

同時に[アドベンチスト派(またはアドベンティスト、再臨派)]と呼ばれる人々を生み出しました。

その中の一つがセブンスデー・アドベンチスト教会です。

2.ジェームス・ホワイトとは

1846年、熱心なアドベンチスト派だったエレン・ハーモンという女性は、

アドベンチスト派の思想家であり牧師であったジェームス・ホワイトと結婚するのですが、

セブンスデー・アドベンチスト教会の様々な制度や教義はジェームスの思想ではなく、エレンの啓示を中心にして作られます。

彼女は神秘的な人物で、生涯で約2000回も「神からの幻」を見たとされています。

それが啓示となり、セブンスデー・アドベンチスト教会の骨格になったわけですね。彼女の生涯をまとめます。

  • 【1827年】アメリカ合衆国メイン州のゴーラムで、敬虔なメソジストの両親の子として生まれる。
  • 【1840年】ウィリアム・ミラーを信奉。
  • 【1843年】それが理由で、所属していたメソジスト教会から信徒資格を剥奪される。
  • 【1844年】ミラーの予言が外れるがその2か月後、エレンは初めて「神からの幻」を見る
  • 【1846年】ジェームス・ホワイトと結婚。ミシガン州バトルクリークに移住し、アドベンチスト派の教会を設立。
  • 【1860年】団体名を[セブンスデー・アドベンチスト教会]にして、活動をスタートさせる。
  • 【1863年】ミシガン州を本拠地とする[世界年会]を発足。以降、精力的な活動により信者を増やしていく。
  • 【1881年】夫の死後に欧州と豪州を訪問。
  • 【1915年】カリフォルニア州のセントへレナで死去。享年87。

セブンスデー・アドベンチスト教会の名称の由来ともなった「週の第7日である土曜日を安息日とする」という提言は、

実は

セブンスデー・バプテスト]という団体の教義でもありました。

エレン・ホワイトは訪れた啓示や聖書解釈の末、この教義を受け入れます。

POINT

セブンスデー・バプテスト】17世紀中頃にイギリスで設立。アメリカでも信者を獲得し「土曜日の安息日を守る最も古い団体」とされる。土曜日の安息日を遵守するのはセブンスデー・アドベンチスト教会だけではないということ。

エレン・ホワイトは啓示だけではなく、45冊にも及ぶ著作によってもセブンスデー・アドベンチスト教会に影響を与えました。

内容は様々で、宗教だけではなく社会福祉食・健康、農学など多岐にわたります。

特に

食・健康は重要で、教会も発足時から健康食品の製造に力を入れていたようです。

というわけで、次はセブンスデー・アドベンチスト教会の教義を見ていきましょう。

3.セブンスデー・アドベンチスト教会の教義

セブンスデー・アドベンチスト教会の教義の特徴的な部分をまとめます。

3-1.霊魂消滅説

霊魂は不滅ではありません。しかし肉体の死後、イエス・キリストの再臨の日まで眠り続けます

霊魂と肉体は一体なので、肉体が死 = 活動を停止したら精神も活動を停止するわけです。

また

同時に、「肉体の死後魂が地獄に行き、永遠の罰を受ける」ことを否定しています。

この教義(「地獄というのは墓にすぎない」)はエホバの証人にも影響を与えたようです。

※エホバの証人とは

3-2.食・健康への配慮

[霊魂と肉体は一体]という考え方は、肉体を清潔の保つべきだという主張につながります。

信仰や祈りで心を浄めるだけではなく、何らかの方法で肉体も浄めなければならないわけですね。

その具体的な方法として着目されたのが食品産業です。

先ほど、セブンスデー・アドベンチスト教会が発足時から健康食品の製造に力を入れていたことを述べましたが、例えば、

  • コンフレークなどでお馴染みのシリアル食品
  • 食パンのベストブレンドであるピーナッツバター

これらはセブンスデー・アドベンチスト教会の信者かつ医学博士であったジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士が開発したものです。

また、エレン・ホワイトが菜食主義禁煙禁酒を唱えたこともあり、それらを実践しているメンバーも多いのですが、

これらは救済の絶対条件ではありません。

3-3.調査審判

1844年にイエス・キリストの再臨がなかったことは先ほど触れましたが、その理由としてセブンスデー・アドベンチスト教会は、

調査審判]という教義を提唱します。この教義では、

  • イエス・キリストは天の聖所に再臨した。
  • 天の聖所でイエスは誰が救われて天国に入りうるのかを調査している。

とされています。

3-4.安息日は土曜日である

イエス・キリストの再臨がなかったもう一つの大きな理由として、

安息日は本来、週の第7日である土曜日であるにもかかわらず、カトリック教会が日曜日に変えてしまったというものがあります。

エレン・ホワイトは著作の中で

神の印第七日の安息日、すなわち創造主の記念日の遵守に表わされている。・・・獣の刻印はこの反対である。それは週の第一日の遵守である。

出典元:エレン・ホワイト『教会への証8巻』

と述べています。

これは非常に重要な教義で、日曜日に働いて逮捕された信徒もいる程です。

3-5.モーセの十戒の遵守

モーセの十戒は普遍的な道徳律であり、全ての人間が守るべきだとしています。

ちなみに、第4戒はまさに安息日に関わるもので、ユダヤ教ではもともと安息日は土曜でした。

POINT

モーセの十戒】預言者モーセがユダヤ人を率いてエジプトから脱出した後、シナイ山で神から授かった10の戒律のこと。

※ユダヤ教については

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4.現在の状況と活動

現在、セブンスデー・アドベンチスト教会は「福音による全人的回復(身体的・精神的・社会的・霊的に豊かにすること)」をモットーに、

布教活動だけではなく、教育・医療・食品・出版・放送・福祉・国際協力といった様々な関連事業を展開しています。

特に有名なのは、やはり食品事業ではないでしょうか。

4-1.三育フーズ

協会が関連している食品会社は世界各地にありますが、その中でも無農薬、自然農法を掲げる[三育フーズ]は、

セブンスデー・アドベンチスト教会のホームページでも紹介されているようです。

三育フーズは米国の世界総会本部に所属し、世界各地に同系列の工場を持つ食品会社です。社名の三育とは、知育“教育”、徳育“心”、体育“健康”の3つのバランスのとれたライフスタイルを目指して名づけられており当社の商品は穀物・卵乳菜食のポリシーを掲げて、おかげさまで120年を迎える事が出来ました。

出典元:三育フーズ株式会社

なぜ食品会社が知育・徳育を重要視しているのかというと、セブンスデー・アドベンチスト教会の教義を前提としているからだったわけです。

また、三育は学校教育の理念にもなっています。

4-2.三育教育とは

現在、学校法人三育学院は全世界に約8,500校もあり、在籍者数200万人にものぼるそうです。

三育教育は、単に知的、霊的、身体的、社会的または職業的面に焦点を当てるのでなく、人間存在のすべての面の開発を目指す

出典元:セブンスデー・アドベンチスト教会

とされています。

ちなみに

なぜ協会があるのに学校を開校したのかというと、土曜日を安息日とするためだそうです。

4-3.医療活動

さらに、病院の経営にも注力しています。

日本では第二次大戦中には協会は解散されてしまうのですが、戦後は再組織し伝道を再開させます。

その際、特に注目されたのが食品事業と医療活動だったようです。

以上です。ありがとうございました。
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