毒親⑬ 無気力で共依存型の親 |「もう片方の親」の役割について


この記事をシェアする

虐待について語る際に多くの方が疑問に思うことの一つは「親が虐待をしている時もう片方の親は何をしているのか」ではないでしょうか。

スーザン・フォワード(「毒親」という概念の提唱者)も著作の中で「もう片方の親の果たす役割」について述べているのですが、

その後継者とも言えるダン・ニューハースは子どもにとって有害だった場合の「もう片方の親」を毒親に認定しているようです。

今回は両者の意見を踏まえながら「もう片方の親が果たすべき役割」について書いていきます。

1.なぜ共依存に陥るのか

もう片方の親という名前は少しわかりにくいので「無気力で共依存型の親」と命名しておきましょう。

このタイプの親は自信や独立心がなく臆病なので、いつも誰かの助けを必要としています。

さらに、「結婚」について言うと

「完全主義者タイプ」「カルトタイプ」、場合によっては「身体的・心理的虐待」をする相手と結婚することが多いようです。

理由は単純で、そのような人たちは基本的に自信過剰なので頼もしく思ってしまうからです。

それどころか「自分が強くなった」気さえしてしまうので、DVなどの被害を受けても離れられないことがあります。

相手の強さ(破壊的だったとしても)に依存して自分の弱さを埋める

さらに

「完全主義者タイプ」や「カルトタイプ」や虐待をする人間はコントロールできる相手を手放そうとはしません。

その結果、共依存関係が生まれるわけです。

2.子どもとも共依存関係になる

傍から見ると「無気力な人間」と「その相手に自我を押しつける人間」の夫婦なのですが、子どもにとってはどのような両親なのでしょうか。

片方の親が虐待し、もう片方がこのような親では、子供はどちらの親からもポジティブな言葉を聞くことができません。精神的に必要なものが奪われて、心の傷はいっそう深まります。さらに、こういう親のなかには、自分が配偶者から虐待されないように子供を盾に使ったり、子供から同情や哀れみを引きだそうとする者さえいます。

出典元:同上

このように客観的に見れば子どもの成長にとって有害なのですが、子どもの体感はもっと複雑なようです。

2-1.本来やるべきこと

もし仮に、子どもが父親から虐待を受けていたら母親はどういう行動に出るべきでしょうか。

  1. 父親の虐待を止めようとする。
  2. 子どもを連れて家を出る
  3. 子どもに「あなたが悪いわけではない」と言う。

せめてをするだけでも、子どもの精神に多少はプラスになるのに共依存型の母親はこれも出来ません。

2-2.子どもを盾にする

共依存型の親は片親の虐待を放置や正当化します。

見てみぬふりをする、見ているだけ、あるいは「あなたがちゃんとしていないからよ」と言って子どもに責任転嫁する…

共依存型の親がこのような行動に出る理由は自分が虐待されないためということが大きいでしょう。

2-3.同情や哀れみを引き出した結果

しかし、もっと状況が悲劇的なのは共依存型の親があえて子どもをかばっていないということを子どもの側が気付いている場合です。

ある男性はこのように語ります。

子供ながら、私には母が父を止めてくれないことはわかっていた。だが同時に、母にはそうしないでほしいという気持ちもあった。そんなことをすれば父の攻撃の矛先は母に向き、母が傷つくことになることは明らかだったからだ。

出典元:同上

そうなれば母親が出て行ってしまうかもしれないし、単純に母親がかわいそうでいたたまれない気持ちになります。

ここで注意して欲しいのはこの母親は子どもにも依存しているということです。

さらに

子どもの方も母親を守るということをモチベーションにしているので母親に依存していると言えます。

つまり、この母親と子どもにも共依存関係が生まれているわけです。

もちろん、これで子どもがたくましく成長できるわけではありません。

子どもは本来親から守られるべき存在であるので「自分が頑張らなきゃ」と自分に言い聞かせても凄まじいストレスに潰されてしまいます。

3.アルコール依存症の親との関係性

スーザン・フォワードの著作では「アルコール依存症の親」を語る文脈の中で、それと共依存してしまうパートナーの話が出てきます。

3-1.特に弱いわけではない親

共依存者は相手の面倒をみていることによって自己を保っている

出典元:スーザン・フォワード『毒になる親』

この場合も「無気力で共依存型の親」は自信や独立心がない人間として描かれますが、

そのような人がアルコール依存症者のような介助が必要なパートナーを得た場合、力を得た感覚がするようです。

共依存者は、「事実の否定」をすることによってアルコール中毒者の行動を黙認し、その相手が哀れなアル中であることを許し、そのかわりに相手をコントロールする力を得ていることがある。

出典元:同上

アルコール依存症の親は「事実の否定」や「話のすり替え」で子どもを苦しめます。

関連記事

準備中

共依存型の親はそれを黙認することでその状態を固定化してしまい、子どもをより追い詰めてしまうのですが、

この親の場合、大1,2章で紹介したような「無気力で独立心のない親」というわけではなさそうです。

つまり、どのような親も共依存型になってしまう可能性があることに注意しましょう。

3-2.どちらの親とも対決する

スーザン・フォワードは、毒親からの支配を克服し自分の人生を歩めるようになるためには、

両親、つまり直接虐待していない方の親も含めてどちらの親とも対決しなければならないと説きます。

それだけ「もう片方の親」が果たすべき役割や「もう片方の親」に対する子どもの想いの強さは重視しているということでしょう。

※毒親との対決の仕方トラウマの克服法については

関連記事

準備中

以上です。ありがとうございました。
次の記事

前の記事

この記事をシェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。