アルコール依存症の親を持つ子の課題 | 絶縁できないのは何故?


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「毒親」という言葉の生みの親であるスーザン・フォワード「アルコール依存症の親」も毒親の一種だとしているのですが、

「アルコール依存症の親」が特殊なのは、

彼らはアルコールの影響により他の様々なタイプの毒親の特徴をミックスしたような行動に出るというところです。

具体的には

「神様のような親」「ネグレクトタイプ」「暴言タイプ」「体罰タイプ」「支離滅裂な親」「もう片方の親」といった毒親たち

に関わってきます。

※いずれもスーザン・フォワードとダン・ニューハースによる毒親の分類を参考にしたものです。

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一方アルコール依存症の親から育てられて子どもには、それならではの悩みや課題があるようです。

例えば

絶縁したくてもできない」「絶縁したはずなのにやっぱり親を捨てきれない」といった葛藤など。

※ちなみに、子どもや家族に与える心理的な影響という意味では「(合法・違法問わず)薬物依存症の親」にも似た傾向がみられます。

1.アルコール依存症の親は何故やっかいなのか

アルコール依存症の親は対策や問題解決がしやすいと思われがちです。親がアルコールを止めればいいわけですから。もっと言うと、

自分がアル中であることを認め、飲酒の原因はすべて自分にあることを認め、更生するための治療を受け、アルコールを断つことである。そして自分が子供に対して、どのような害悪をなしてきたかを認め、親として責任のある、そして愛情のある親になると決心することだ。

出典元:スーザン・フォワード『毒になる親』

スーザン・フォワードが言うように、親自身がこのように態度を改めれば子どもや家庭、もちろん自分自身のトラブルは解決します。

しかし、話はそれほど単純ではないようです。

だが残念ながら、現実は理想とはほど遠い。飲酒がやめられないこととその事実の否定、さらにそういう自分について話をすり替えたり事実をねじ曲げたりすることは、しばしば本人が死ぬまで続く

出典元:同上

もちろんアルコール依存症を克服した方もいるし、更生するための治療法もキチンとあります。

話を戻すと、

「依存症だから」以外の飲酒がやめられない理由としてスーザン・フォワードが提示するのは、「事実の否定」と「話のすり替え」です。

そして、これらは子どもにも大きな苦痛を強いるようです。

1-1.事実の否定

アルコール依存症の親はその事実を否定しがちである、というのはよく聞く話なのですが家族全体が事実を否定するということもあります。

もちろん子どもも秘密を共有しなければならなくなるのですが、これは子どもをひどく混乱させてしまいます。

子供にとって、家族についての取りつくろいを続けるのには、非常に大きなエネルギーを必要とする。その子供は、常に内心では身構えており、うっかり家族のことをバラしたらどうしようと恐れている。

出典元:同上

その結果、友だち関係が上手くいかずストレスがかかるはずの家庭にますます縛られてしまうこともあるのです。

1-2.話のすり替え

飲まずにいられないことを自分以外の人間や物事のせいにするのはアルコール中毒者の常であるが、それを子供のせいにする親もいる。

出典元:同上

このような態度も子どもを混乱させ、本当に自分が悪い・無価値だと思ってしまうこともります。

さらに言えば、子どもに責任をなすりつける際に暴言や暴力を伴う場合もあります。冒頭でも言ったように、

アルコール依存症の親は他のタイプの毒親の特徴を持つことがあるのが基本なのですが、複数併せ持つこともあります。

これがアルコール依存症の親が様々な毒親の中でも悪質な部類に入ると言われる理由の一つです。

別の理由は「罪悪感」に関わるものでしょう。

1-3.刷り込まれる罪悪感

いずれの場合にも子どもの中に醸成されるのは「罪悪感」です。

  • 事実の否定では「自分も共犯者だ」という意識や「友だち関係を優先させることは悪いことだ」という意識。
  • 話のすり替えでは「お前のせいだ」と言われることでモロに罪悪感を植え付けられる。

このような罪悪感は

なんとなく悪いことをしている」や「自分だけが救われてはいけない」や「自分は変わってはいけない」などの意識だと捉えてください。

これらが、自己肯定感の低下や毒親から自立することへの恐れをもたらすわけです。

2.罪悪感の例

アルコール依存症の親からもたらされる「罪悪感」には例えば以下のようなものがあります。

2-1.「今度こそ上手くやれるかもしれない」

アルコール依存症の親から育てられた人が結婚相手アルコール依存症などの問題を抱えた人間を選ぶことは多々あります。

アルコール依存症の父親から育てられたある男性は、同じくアルコール依存症の女性と結婚しました。

その女性は妻としてふさわしくないかもしれないということは結婚前に感じていたのだが、子供の時から親との関係を通して培われた「問題のある人を救いたがる」性格のほうが勝ってしまったのだ。

出典元:同上

この男性の心の奥底には親の問題を解決できない「罪悪感」がずっとあったそうです。

そして

「今度こそ上手くやれるかもしれない」という思いから、似たような境遇の人と結婚したのでしょう。

2-2.同情を誘う親

アルコール依存症の親は必ずしも体罰や心理的虐待を繰り返す恐ろしい親だというわけではありません。

アルコール中毒の親は、哀れをさそうような、そして、助けてもらわなくては生きていけないような、それでいて分別のない行動を通じて、積極的に、かつ無理やり、子供から子供の役を奪い取ってしまっているのである。

出典元:同上

その親に実際に同情すべき事情があったのか、子どもが過剰な罪悪感を植え付けられているのかはわかりませんが、いずれにせよ

「自分は変わってはいけない」という強力な束縛を子どもが感じてしまうこともよくあるそうです。

3.絶縁をどう考えるか

しかし、それでもやはり

もしあなたがアル中の親の子供だったら、自分の人生を自分の手に取り戻すためのカギは、そのような親を変えなくてもあなたは変わることができるのだと自覚することだ。

出典元:同上

とスーザン・フォワードは主張します。

ここでのポイントは「自分の人生を自分の手に取り戻すためのカギ」という表現です。

3-1.どうしても絶縁できない人も

強烈なトラウマがあるのに、どうしても親と絶縁できず親との共依存的な人生を選んでしまう人もいます。

しかし、自分の人生を自分の手に取り戻すという「選択もできる」ということを押さえておきましょう。

たとえ親はまったく変わらなくとも、あなたは子供時代のトラウマを乗り越え、親によって支配されている人生を克服することができる。あなたに必要なのは、それをやり抜く決意と実行力だけなのだ。

出典元:同上

3-2.絶縁よりも必要なこと

また、アルコール依存症の親がもたらす「罪悪感」は絶縁を考える上で大きなポイントになります。

「罪悪感」を解消しないまま絶縁をしたも、やはり心のモヤモヤや悲しみは残り続けてしまうのです。

そもそも、スーザン・フォワードが推奨しているのは「毒親との絶縁」ではなく「毒親との対決」です。

そして、対決の中には「罪悪感を消すこと」も含まれます。

毒親との対決の仕方については

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以上です。ありがとうございました。
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