母親に責任を押し付けて全て解決?流行りのカウンセリングについて

驚く母親

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前回(愛着障害の「唯一」の治療法を公開!コツは〇〇すること)は、精神科医の岡田尊司氏の理論の矛盾について書きました。

かいつまんで言うと、

  • 岡田尊司氏は「親以外からの影響」による愛着障害の存在を認めている。
  • にもかかわらず、愛着障害の治療法は「親から受けた影響」を解消する方法以外にはない

ということは

愛着障害を治療をする為には、様々な不幸やトラブルは「親のせいだ」と思い込ませることが必要である

という結論だったのですが、

今回は「親のせいだと思い込ませる」とは一体どういうことかについても書いていきます。

※今回の記事も「愛着理論」の知識が前提となるので、

こちらも併せてお読みください。

1.毒親と愛着障害

否定するヒヨコ

今回は愛着障害だけでなく「毒親」関連の記事でもあるので、毒親についても触れておきましょう。

毒親被害者」の方が自身の生きづらさを「愛着障害」と関連づけているのをよく見かけますが、それは厳密ではありません

確かに

毒親と関連づけられる愛着障害もありますが、ほとんどの愛着障害は毒親とは関係ありません

※「愛着障害」には大きく分けて2通りの解釈があります。

また、多くの人が「愛着障害」だと思っているものは岡田尊司氏が超拡大解釈した愛着障害(広い意味での愛着障害)だと思います。

この愛着障害は最近何かと耳にする機会が多いのですが、それに伴い「岡田尊司式カウンセリング法」も広まっています。

しかし、これはかなり胡散臭いものなので注意が必要です。

さて「広い意味での愛着障害」は

  1. 親のせいで愛着障害になる→「不幸」や「生きづらさ」を抱える。のではなく
  2. 「不幸」や「生きづらさ」を抱えている→カウンセラーの話を聞いている内に親の悪い部分ばかり思い出す
  3. その結果、自分は愛着障害だと思うようになる

という可能性も大いにあるので要注意です。

2.記憶について

記憶

次は「記憶」とは何かについて話をします。

記憶とは私たちが望むほど正確な記録装置ではない。思い出そうとしているときの感情によって、その貯蔵庫から幸せな記憶を引き出すのか、不幸な記憶を引き出すのか、もしくは中立的なものを引き出してそのときの気分と一致するように色づけするのかが決まってくる。

出典元:J.R.ハリス『子育ての大誤解』

教育研究家・J.R.ハリス氏の言い方は難しいですが、

「悪いことを思い出すから不幸に感じる」のではなく「不幸な時には悪いことを思い出しやすくなる」ということです。

悪い事ばかり続く」という経験は多くの人があると思いますが、それは不幸な時には悪い事ばかりを思い出すからです。

そして、また不幸になり…という悪循環にハマっていくわけですね。

また、ハリス氏はこのようにも言います。

鬱状態にある人は、親は自分を快く扱ってくれなかったと記憶しがちだ。鬱状態が改善されれば、親の記憶も改善される。

出典元:同上

※悪い事ばかりが続く「脳科学的メカニズム」については

こちらをご覧ください。

3.岡田尊司式カウンセリング

謎のカウンセラー

以上を踏まえつつ「岡田尊司流の愛着理論」によるカウンセリングの一部を紹介しましょう。

※詳細は

岡田氏の愛着障害の治療方針を一言で言うと

親(特に母親)から酷い扱いを受けたことに対する怒りや悲しみを「安全基地」にぶつけることによってスッキリする

でした。

しかし

親(特に母親)から酷い扱いを受けていないにもかかわらず、「広い意味での愛着障害」のような症状が出た人

は一体どのように対応すれば良いのでしょうか。岡田氏によると、

本人の自覚としては「あまり覚えていない」というだけで、嫌な目にあったなどという認識はない。思い出そうとしても、断片的な記憶をぽつりぽつりとしか語れないことも多い。

出典元:岡田尊司『愛着障害の克服』

※「「嫌な目」というのは親(特に母親)から嫌な目にあったということです。

「本人の自覚としては『あまり覚えていない』というだけ」とはっきり書いていることに注意しましょう。

「親から嫌な目にあったはずなのに覚えていない。よってそれを思い出させないといけない」というわけです。

※これは厳密には「回避型」の人に対する治療の描写です。

不安型」や「恐れ・回避型」については

3-1.母親の過失を思い出せ

おさらいすると、岡田氏の理論は

母親は子どもの「対人関係」「ストレス耐性」「恋愛が上手くいくか」「健康面」を生涯にわたって影響を及ぼすというもの

でしたね。

よって、それらが上手くいっていないと、まず母親が責められます。

次いで、母親の過失を思い出すように仕向けられます。

語る作業をしているうちに、次第に記憶がよみがえってきて、自分がこれまで封印してきたものに向かい合い始める。そうなると、これまで忘れていた、その時々の感情や気持ちもよみがえり始める。ずっと抑えてきた悲しみや寂しさや傷ついた思いがありありとよみがえってきて、思いがけず涙がこぼれてしまうこともある。

出典元:同上

また、「ずっと抑えてきた悲しみ寂しさ」とありますが、

傷つけられた怒りや悲しみを、恨みつらみを込めて叩きつけるように語り続ける。

出典元:岡田尊司『愛着障害』

というパターンもあるようです。

3-2.「語る作業」とは?

語る作業」をしている内に母親が十分に愛してくれなかった記憶がよみがえるらしいのですが、

「語る作業」というのは岡田氏の治療理論におけるキーワードのようです。

語ること自体から、大きな癒しが生じるだけでなく、(…)それまで断片的にバラバラだったものが、統合され、傷や歪みが修復されていく

出典元:同上

しかし、精神分析の創始者であるフロイトによると

  • 精神的トラブルを抱えた人は「何らかの被害に合った」と思い込みやすいし、精神科医もそう思い込ませることが出来る
  • よって患者に回想を強要したり、暗示をかけたりするのは問題だ。

とのことです。

ちなみ、岡田氏は「愛着障害者は被害妄想が強い」と発言しています。

3-3.二歳までの体験

また、これも他の色々な記事で指摘している事なのですが、

そもそも

愛着障害になるのは「2歳までの体験(岡田氏も覚えていないと言っている)」なので、思い出すもくそもないですよね。

「2歳までの体験」は脳の構造的に思い出せません。

4.語る作業とマインドコントロール

驚く母親

「2歳までの体験」については、岡田氏も

物心つく前のことは、本人も覚えていないし、母親自身忘れているということも多い。

出典元:岡田尊司『発達障害と呼ばないで』

と言っていますが、

「誰も思い出せないものを思い出すことによるカウンセリング法」を提示している時点で完全に破綻していると言えるでしょう。

不気味なのは「語る作業」です。詳しいことは営業秘密なのでしょうが、

さらに

不気味なのは岡田尊司氏は『マインドコントロール』という本も書いていることです。

岡田氏自身も何かと賛否両論の多い方なので、

こちらの記事に書かれていることも念頭に置いて欲しいです。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】
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