水島広子 毒親 なぜ批判


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精神科医の水島広子氏は執筆家としても知られており、

私自身も水島広子氏の「対人関係療法」「アティテューディナル・ヒーリング」の著作や考え方に影響を受けた人間でもあります。

加えて水島広子氏は非常に優れた「毒親」の研究でも知られていますが、水島氏自身も認めているように批判がある事も確かです。

今回は毒親問題の議論を進めるためにそれらの批判を検討しようと思います。

1.

もともと「毒親」という言葉の由来はスーザン・フォワードの著作『毒になる親』にあります。

この著作の出版以降多くの「毒親告発本」が書かれました。しかし、このような流れに対して疑問を抱く人もいます。

例えば

「この人は衣食住と教育を提供してもらって、ちゃんと社会に出してもらった。すでによい大人なのに、今さら『親のせい』?」

出典元:水島広子『「毒親」の正体』

また、「親に不安を抱かせる」という批判もあります。

「カッとなった自分の今の一言が子どもに取り返しのつかない傷を与えてしまっていたらどうしよう。自分ももしかしたら『毒親』かもしれない」

出典元:同上

これらの批判に答えるため、水島広子氏が取る戦略は以下の2つです。

  1. 自分の親がなぜ「毒親」になったのかを理解する
  2. 「愛着スタイル」という観点をはさむ

1-1.なぜ「毒親」になったのか

自分の親がなぜ「毒親」になったのかを理解することは「自己肯定感を高めるため」に必要です。

毒親に育てられた人は「親は絶対的な存在だ」「悪いのは親ではなく自分だ」と思ってしまっていることが多いわけですね。

「すでによい大人なのに、今さら親のせい?」と思う方もいるでしょうが、やはりそれは程度問題で、明らかに親が悪い場合もあります。

しかし

「親の方が悪かった」と言うだけでは効果はありません。精神医学的な観点で説明し、納得させなければなりません

水島広子氏の著作は、そういった意味で非常に効果的でしょう。

1-2.「愛着スタイル」という観点

本書では「毒親」を、「子どもの不安定な愛着スタイルの基盤を作る親」と定義づけたいと思います。

出典元:同上

これを読んだ時、正直驚きました。

2.

虐待をする親のなかでも性的な行為をする親だけはあまりにも特殊で悪質度が高いため、本書で論じる「毒親」からは除外
します。

性的な行為をする親は関係改善の可能性がある対象としては考えません

出典元:同上

p104 来なかった親御さんはいません。

3.

信念

子どもはもちろん、生まれる親を選べませんから、「自分が悪かった」のではなく「親が悪かった」と認識し直すことは、自己肯定感の向上につながる効果を持つのは確かです。

出典元:同上

「自分は、最も重要な時期に不適切な育て方をされた」ということほど、人に絶望を与えるものはないように思います。だからこそ、「親のせいで自分はこうなった」という認識は、その時点で止まってしまうと、「そんな自分にはこれから何もできない」という無力感につながることもあるのです。

出典元:同上

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