生きづらさの原因になる「自己否定」や「人間不信」の解決方法

ナース

この記事をシェアする

生きづらさの原因について調べている方は愛着障害愛着理論をご存知でしょうか。

「生きづらさの原因」としてよく言及されるのが①自己肯定感の低さ②人間不信です。愛着障害はこれらのもとになると言われています。

しかし、自分の生きづらさの原因は愛着障害だったとわかっても意味はないですよね。

やはり

その生きづらさを改善できなければ、「愛着障害」という診断名を付けても意味がありません

治療者であれば、その生きづらさや症状を治す方法を提示しなければなりません。

もっと言うと、愛着障害になる原因を突き止めないといけませんよね。それらがまさに「愛着理論」です。まとめると、

ある原因により抱えた生きづらさや症状を「愛着障害」と呼び、その治療方法を提示したのが愛着理論です。

わざわざこのようなことを書く理由は、自分の生きづらさの原因は愛着障害だとわかっただけで満足してしまう人もいるからです。

例えば、↓ の記事を読んで

「愛着障害の特徴(生きづらさ)が自分にも当てはまっている」と思った方は要注意です。

愛着障害に関する知識を日本に広めたのは岡田尊司氏なのですが、岡田氏の著作『愛着障害』の肯定的なレビューは大体こんな感じです。

  1. 自分の生きづらさの原因が愛着障害であることに納得した
  2. 書かれている克服方法は難しそうだけれど、希望が持てた。
  3. 子育てをする方や教育者におススメしたい。

特にがポイントで、希望が持てるのは良いのですが、やはり岡田氏が書く克服方法は実践するのが難しいというのが正直なところなのでしょう。

よって、今回は岡田氏の主張を補足しつつ生きづらさの原因となる愛着障害について解説していきましょう。

また

生きづらさの解消を目指した理論は愛着理論だけではありません。「対人関係療法」や「認知行動療法」もそうです。

今回はそれらも含めて解説していきましょう。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】

1.愛着理論について

疑問ネコ

まずは「愛着理論」の概要を6つのポイントに分けて説明しましょう。

1-1.愛着障害とは

2歳までに親(特に母親)や養育者との間に「愛着」が出来なかったことが原因で様々な症状や支障が生じている状態のこと。

そして、

愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている

出典元:岡田尊司『愛着障害』

難しい言い方をしていますが要するに、

親との間に「愛着」が出来なかった場合、他人と打ち解けるのが苦手になったり、ネガティブな性格を抱えてしまったりするということです。

その結果、自己肯定感が低下したり人間不信になったりするわけです。

※親(特に母親)や養育者との間に「愛着」を形成する方法についてはこちらをご覧ください。

この記事で書かれていることが当てはまらなかった人は愛着障害にはならないので、チェックしてみましょう。

1-2.二歳までがポイント

1歳半、長く見て2歳までに親と「愛着」を築かなければならないということに注意しましょう。

子どもの頃親との関係が良くなかったから愛着障害かもしれない」と思っている方をよく見かけますが、その考え方は正しくありません

なぜなら

人間には物心つく前(3歳以前)の記憶がないからです。

愛着障害になるかは2歳までに決まっています。しかし、われわれは2歳までのことは覚えていません。

岡田尊司氏も

物心つく前のことは、本人も覚えていないし、母親自身忘れているということも多い。

出典元:岡田尊司『発達障害と呼ばないで』

このように言っています。つまり、

「誰も覚えていないけれど、親の愛情が足りなかったに違いない!」憶測するのが愛着理論の考え方です。

「覚えていない頃の出来事で人間の一生はおおよそ決まる」というわけです。

1-3.毒親との関係性

逆に、親から酷い扱いを受けたことを覚えている人は愛着理論だけではなく「毒親」に関する知識も必要です。

※例えば

1-4.母親が重要?

驚く母親

日本で最も普及しているのが岡田尊司式愛着理論で、それに対抗しているのが高橋和巳式愛着理論です。

当サイトではこの2人の理論を主に参考にしているのですが、両者の共通点は母親を過大視するところです。例えば岡田氏は

母親は、子どもの対人関係だけではなく、ストレス耐性や不安の感じ方、パートナーとの関係や子育て、健康や寿命に至るまで、生存に関わる影響を、それこそ生涯にわたって及ぼす。やはり特別な存在なのである。

出典元:岡田尊司『回避性愛着障害』

と言っています。この意見に対しは「感動する母親」も、多くの責任を負わされることに「反発する母親」もいるようです。

もちろん、精神科医の中にも母親の責任を過大視する考え方に対して反発をする人もいます。

そういった意見も含め「なぜ一部の精神科医は母親に多くの責任を負わせようとするのか」について気になる方はこちらをお読みください。

1-5.性格さえも決める

「愛着は人格のもっとも土台の部分を形造っている」とのことですが、「人格」が何を指すのかはあまりピンとこないかもしれません。

しかし、「愛着は性格の土台を造る」と言われれば、かなり深刻だと思うのではないでしょうか。

どのような性格を持つかは人生を大きく左右し、生きづらさの原因にもなります。

にもかかわらず

愛着理論では、2歳までの親(特に母親)や養育者との関係性が「性格」の方向性を決めると考えるようです。

性格の方向性を決めるものが「愛着スタイル」と呼ばれるものです。

「愛着スタイル」は非常に重要な概念だと思うのですが、高橋和巳氏の愛着理論では「愛着スタイル」は出てきません

というか

岡田尊司氏の主張は多くの専門家に批判されているようです。

愛着障害や愛着スタイルについて調べている方は岡田氏の主張に触れる機会が多いと思います。

しかし、愛着障害について知りたければ岡田氏だけではなくいろいろな専門家の意見を参考にした方が良いでしょう。

1-6.治療方法

治療、あるいは克服では「安全基地」と呼ばれる人たちがキーマンになります。

しかし「安全基地」の考え方にはかなり問題点があります。

参考になるところも多いのですが、理想論に近く、この方法が成功する人は本当にいるのかすら疑問な程です。

もちろん、「安全基地」による治療法で上手くいけばそれで良いのですが、治療法はこれだけではありません。

そもそも

岡田氏が最近提唱している「愛着アプローチ」なるものは対人関係療法認知行動療法と被る部分がたくさんあります。

よって、われわれも「対人関係療法」や「認知行動療法」についての理解を深めましょう。

おススメ

準備中

おススメ

準備中

※「愛着アプローチ」については

関連記事

準備中

2.生きづらさを解消する別の方法

ナース

というわけで、生きづらさの原因について探求した理論である「愛着理論」の概要をザックリと説明したのですが、

生きづらさの原因を解消する方法はこれだけではありません。例えば先ほど紹介した「対人関係療法」や「認知行動療法」もそうです。

むしろ効果が科学的に認められて、精神医学会から推奨されているのは対人関係療法や認知行動療法の方です。

では、愛着理論はどうなのかというと、

世間で愛着理論だと思われているのは岡田尊司氏が解釈したものなのですが、この岡田尊司流の愛着理論は精神医学とは認められていません

これは重要な点なので整理しましょう。

2-1.岡田尊司について

岡田氏は著作の中で

医療や福祉、教育などの領域で、さまざまな問題を抱えたケースに関わっている専門家の方には、パーソナリティ障害や発達障害を抱えた人の支援において、これまで欠落した視点を提供したいと思う。

出典元:同上

と述べています。

「欠落した視点」というのが「愛着」のことなのですが、専門家に視点を提供するのなら何故一般書で提案するのでしょうか

岡田氏が自分の理論が正しいと思うなら論文を書いたり専門誌で発表すれば良いだけです。

そうすれば様々な専門家から検証されるし、一般人にはその検証に合格した効果的な治療法が提供できます。

にもかかわらず

岡田氏はそのプロセスをすっぽ抜かして一般人に対して直に情報を与えているのです。

しかし、これに「納得のいく人」が多かったため、岡田氏の主張は多くの人に浸透することになりました。

岡田氏に肯定的な人たちは

  • 有名な先生が言っているから正しいに違いない。
  • 著作の中で「研究によって明らかになった」と言っていたから正しいに違いない。

と言って岡田氏の意見を鵜呑みにしがちですが、岡田氏にとって都合の悪い研究成果もたくさんあるのも事実です

よって、生きづらさを解消するにあたっては、岡田氏だけではなくいろいろな分野の専門家の意見も取り入れるようにしましょう。

この記事は特に岡田氏の著作の熱心な読者に読んで欲しい内容です。

2-2.要注意事項

最後に元も子もない事を言いますが、

実は

愛着理論の考え方は最新の脳科学では否定されており、むしろ生きづらさを助長するとも言われています。

特に「安全基地」は、むしろ自己肯定感を低下させたり人間不信にさせたりしてしまうことがあるのです。

というわけで、当サイトでは愛着理論に対しては基本的に否定的な立場をとっており(もちろん参考にしている部分もあります)、

代わりに対人関係療法や認知行動療法を推奨しています。

先述した通り、この2つは岡田氏も取り入れているようだし、知っておいた方が良いでしょう。

以上で今回の記事は終わるのですが、次回は引き続き愛着理論の基礎知識について書いていこうと思います。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】
この記事をシェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。