愛着障害 大人の症状は存在しない?その理由を暴露します

ヒヨコ探偵

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まずは精神科医の工藤晋平氏の言葉を引用します。

ここで批判されている「岡田氏」というのは愛着障害関連の著作では最も有名な岡田尊司氏のことです。

今回の記事を読まれている方もほとんどが「岡田氏が解釈した愛着障害」に触発されたのだろうと思います。

しかし、このように岡田氏の解釈は他の専門家から痛烈に批判されているということをまずは指摘しておきましょう。

さて、工藤氏によると「日本には愛着障害者はほぼいない」。

しかし

岡田氏によると、日本には愛着障害者(潜在的な愛着障害者と言っていいかもしれません)は約4000万人います。

このように人数に大きな開きがあるのは精神医学界岡田氏など一部の医者とで愛着障害の診断基準が違うからです。

岡田氏を通じて愛着障害を知った方も、岡田氏に対する批判違った診断基準があることを押さえておいて下さい。

また、今回のタイトルの【愛着障害 大人の症状は存在しない?】について補足したいのですが、

大人の症状は存在しないと解釈できるのは精神医学界の愛着障害の診断基準に照らし合わせた場合になります。

※なお、今回の記事は「愛着理論」の知識が前提となるので、

こちらも併せてお読みください。

1.狭い意味での大人の症状

狭い

今回の記事は「愛着障害の症状を【全種類】公開 | 引きこもりや露出狂も?」の続編ですので、細かい解説は省略しますが、

精神医学界で認められている愛着障害である「反応性愛着障害」と「脱抑制型対人交流障害」は5歳までに発症する子どもの症状です。

ということは大人の症状ではありません。

しかし

これらの障害(いわば狭い意味での愛着障害)を抱えた人が大人になった場合大人ならではの症状が出る可能性があります。

例えば、精神科医の高橋和巳氏は

Dタイプの母親のもとで育った人は(…)人生の全期間にわたって様々な精神症状を現すようだ。幼児期から小学生の頃は反応性愛着障害になり、チックや抜毛、夜尿症(…)思春期に至るとひどいケースでは離人症、解離性障害、摂食障害など(…)成人してからも生きにくさを抱え続け、うつ病(反復性うつ病・燃え尽き症候群)やパニック障害などで精神科のクリニックを訪れる。

出典元:高橋和巳『「母と子」という病』

と主張します。しかし、この年齢の区分はあまり有効ではないかもしれません。

なぜなら

うつ病やパニック障害になる子どももいるからです。

よって「大人の症状」や「子どもの症状」というように分類するのではなくて、

幼少期に抱えた反応性愛着障害などの重い障害の後遺症で、その後の人生で様々な症状を抱えると解釈した方が良いかもしれません。

2.広い意味での大人の症状

精神科医

「愛着障害の大人の症状」を調べているの多くは、

岡田氏などの一部の精神科医が主張する愛着障害(いわば広い意味での愛着障害)の詳しい情報を得ようとしているのだと思います。

しかし、まずは

冒頭で引用した工藤氏の発言の通りこれは「精神医学界から認められた愛着障害」とは全く異なる概念である

ということを押さえて下さい。

よって

「愛着障害」という名称を本来は使うべきではないでしょう。

一方で岡田氏は「不安定な愛着スタイル」という名称も使っています。

2-1.不安定な愛着スタイルが肝

「不安定な愛着スタイル」と愛着障害の関係性は

こちらにまとめたのですが、

岡田氏自身もそれほど明確に定義づけしていません。しかし不安定な愛着スタイルは岡田尊司的愛着理論の肝であることは間違いないでしょう。

2-2.思い出せない体験

さて、不安定な愛着スタイルの定義を思い出して欲しいのですが、

※わからない方はこちらで確認して下さい。

一言で言うと、これは親の「愛情不足」で起こるものでした。一方「狭い意味での愛着障害」は「虐待」で起こります。

もちろん

「愛情不足」と「虐待」は全然違います。後者は脳にダメージを残すのに対し、前者は基準があいまい過ぎます。

しかも、岡田氏は「基本的には2歳までの体験が引き金になって愛着障害になるのだ」と主張しています。

しかし「2歳まで(物心つく前)のこと」をわれわれは思い出せないのです。

3.愛着スタイルとは結局何か

ヒヨコ探偵

というわけで今回のテーマの結論を言うと

  1. 狭い意味での愛着障害に大人の症状があるとは言い難い
  2. 広い意味での愛着障害は、そもそも愛着障害とは全くの別物である。

について補足しますが、

中には「岡田先生が言っているのが本来の愛着障害とは全くの別物でも良いじゃないか」と思う方も多くいるでしょう。例えば

これらの記事を読めば、確かに「自分の生きづらさを岡田先生は解決してくれる」ような気になるかもしれません。

しかし、そのような方々に対して注意を促したいと思います。

3-1.無理やり「愛着の問題」にする医者に注意

工藤晋平氏の別の発言を引用しましょう

「対応を間違えれば生きづらさから抜け出すこともできなくなりますので愛着障害ビジネスには要注意」ということなのですが、

岡田氏の場合、愛着障害ではないものを無理やり「愛着の問題」にしてその対応を促しているので、

対応が無茶苦茶になっているばかりか、むしろその対応によって生きづらさを悪化させる可能性があるのです。

3-2.脳科学的には?

その対応法とは「安全基地による愛着障害の治療」なのですが、これは脳科学的に見て、まさに生きづらさを悪化させる可能性があります。

※「安全基地による治療法」を知らない方は

3-3.本当は「性格」に過ぎない?

では、不安定なものも含めた「愛着スタイル」とは結局何だったのかというと、

(愛着パターンが)その後出会う人との関係によって、修飾や修正を受け、10代初めごろに愛着スタイルとして固定していく。

出典元:岡田尊司『愛着障害』

という岡田氏の発言が参考になるでしょう。でも、これって「性格」のことですよね

性格は

親だけではなく友だちや先輩や先生、ネットやテレビなどの情報媒体、そして遺伝子などの様々な要因によって決まります。

さらに言えば「性格」の形成に大きな影響を及ぼすのは親ではなく友だちなどの仲間集団の方です。

この事は自身が子どもだった頃を思い出せばわかるはずです。

にもかかわらず

岡田氏は親からの影響が強いように見せかけるので対応を間違えてしまうのです。

また、ぶっちゃけて言えば岡田氏の結論は「安全基地での治療法は失敗しやすいのでカウンセリングを受けろ」というものです。

工藤氏も言っていましたが愛着障害ビジネスには注意しましょう。

最後に、岡田氏の手法で生きづらさを解消できるのならそれでいいのですが効果が無かったり逆効果だった人は、

こちらをご覧ください。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】
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