安全基地を探す人【必見】安全基地は〇〇に過ぎない?

罠
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「愛着障害」を超拡大解釈し「自分も愛着障害かも」と多くの人に思い込ませ、その治療には「安全基地」が必要不可欠だと主張するのは

精神科医の岡田尊司氏なのですが、そんな岡田氏によると

「安全基地になれるのはカウンセラーくらいだから、手遅れになりたくないなら、金はかかるがカウンセリングを受けた方が良い」とのことです。

この岡田氏の発言は意外とスルーされがちなので、

今回は岡田氏の愛着理論の実態を知る意味でも、この発言を吟味していこうと思います。

※今回の記事も「愛着理論」の知識が前提となるので、

こちらも併せてお読みください。

1.安全基地と拡大解釈された愛着理論

まずは、前提として愛着障害には2通りの解釈があることを知っておきましょう。

  1. 狭い意味での愛着障害→伝統的な考え方。精神医学界でも認められている。主張者は高橋和巳氏など。
  2. 広い意味での愛着障害→拡大解釈れたもの。世間ではこっちの方が有名。主張者は岡田尊司氏など。

の方が有名な理由は単純で、岡田氏の著作が飛ぶように売れたからです。

「安全基地」を何でも解決してくれる神のように捉えるのは岡田氏の特徴的な主張なのですが、

の立場の人は、おそらくそのようには捉えていないでしょう。

例えば

高橋和巳氏の著作には「安全基地」は登場すらしません

また、の立場である工藤晋平氏がのような愛着理論を批判しながら、

と言っている事にも注意しましょう。

2.岡田尊司の変遷

カウンセラー

以上を踏まえて「安全基地に関する岡田氏の発言」を追って行きましょう。ちなみに、

安全基地とは

  • 困った時や恐怖を感じた時に助けてくれる存在のこと。
  • 「いつでも逃げ帰れる安全な場所」という意味で安全基地と呼ばれる。

2-1.『愛着障害』の時点

愛着理論では「不安定な愛着スタイル」や「愛着障害」の人は親が安全基地として機能しないまま育ったと考えるので、

誰かが安全基地として機能し直さなければなりません。

一生付き合う覚悟で、腹を据えて、その人に関わろうとしている非専門家や家族の方が、愛着障害の修復という点では、大きな力となるだろう。実際パートナーや恋人が安全基地となって受け止めた結果、安定していくケースも多い。

出典元:岡田尊司『愛着障害』

このように、著書『愛着障害』の時点では岡田氏は非専門家、中でもパートナーや恋人が安全基地をになうべきと言っています。

2-2.『克服』の時点

ところが、岡田氏はこの意見を180度変えます。

しかし、そこにはしばしば落とし穴もひそんでいる。最初のうちは親身に相談に乗ってくれていても、次第に負担になってきて態度が冷たくなり、最後には拒否されてしまうということも起きがちなことだからだ。

出典元:岡田尊司『愛着障害の克服』

そして、

課題を抱えている人が真剣に向き合おうと思ったときには、せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、信頼できる専門家に助力を求めることをお勧めする。費用がかかったとしても、長い目で見ると、もっと大きな損失や危険を避けることにつながる。

出典元:同上

このように、著書『愛着障害の克服』では、端的に言えば

恋人やパートナーなどが安全基地になるのはほぼ無理だから金はかかるがカウンセリングを受けるべき。でなきゃ大変な目にあうぞ。

という主張に変わっているのです。

人によっては「時間が経てば意見が変わるのは当然」と思うかもしれませんが、もう少し追及していきましょう。

3.なぜ安全基地の位置づけが変わったのか

安全ヘルメット

ちなみに、私が岡田尊司氏にかなり批判的な立場を取っているのは主張が滅茶苦茶だというのもありますが、

岡田氏の過去の言動評価を知っているからです。

岡田氏本人は親切で好感の持てる人なのかもしれませんがそれと言説の正しさは別なので、

こちらもご覧ください。

こちらの記事も踏まえて「なぜ岡田氏は安全基地の位置づけを変えたのか」を考えていきましょう。

3-1.『愛着障害』の時点

この著作は、

おそらく

アスペルガー症候群』や『脳内汚染』と同じ感覚で、何となく斬新でセンセーショナルな本を書いたといった感じでしょう。

よって、話の収拾がつかなくなって

「安全基地(パートナーや恋人)が奇跡のような力で全てを解決してくれる」というオチにせざるを得なかったのではないでしょうか。

3-2.『克服』の時点

しかし、後になって岡田氏も自身の理論が破綻していることに気付いたのでしょう。

例えば、岡田氏の治療法は一見上手くいっているようでも、実際は安全基地に対する依存体系を作るだけで何の解決にもなりません

よって、「それでもカウンセラーなら専門家なので上手くやれる」という感じでお茶を濁したのでしょう。

また

後述するように「ビジネス感」が半端ないのも見逃せません。

それにしても、もう一度引用しますが、

最初のうちは親身に相談に乗ってくれていても、次第に負担になってきて態度が冷たくなり、最後には拒否されてしまうということも起きがちなことだからだ。

出典元:同上

というのは、はっきり言って何をいまさらという感じです。

恋人やパートナーが負担に感じ過ぎないような手法や枠組みを提示すると思いきやこの有様です。

4.安全基地は結局…

罠

最後に岡田氏の主張の特徴についてまとめていきます。

4-1.不安を煽る

岡田氏の著作の特徴は

  • 実は、あの悩み(他人と打ち解けられない、アルコールに依存してしまうなど)も愛着障害の一種だ!
  • 実は、あの有名人(夏目漱石やスティーブ・ジョブズなど)も愛着障害者の一人だ!

このようにして愛着障害が蔓延していイメージを作りだすところです。さらに、

母親は、子どもの対人関係だけではなく、ストレス耐性や不安の感じ方、パートナーとの関係や子育て、健康や寿命に至るまで、生存に関わる影響を、それこそ生涯にわたって及ぼす。

出典元:岡田尊司『回避性愛着障害』

この発言に代表されるように読者に対して徹底的に不安を煽ることをします。ちなみに、この引用文の意味は

  1. 2歳までに親(特に母親)と強い愛着関係を築かなければ「対人関係」や「ストレス耐性」や「健康状態」に一生涯不安を抱える。
  2. それが嫌なら愛着の問題を解決するしかない。

ということです。

4-2.頼れるのはカウンセラーだけ

愛着の問題を解決するにはどうすれば良いかというと、

愛着の課題を克服するためには、安全基地となる存在の媒介が、通常は不可欠である。

出典元:岡田尊司『愛着障害の克服』

そして、先ほど詳しく解説したように

安全基地になるのはパートナーか恋人が最適だと考えられてきたが実は無理なのでカウンセリングを受けるしかない

と主張するわけです。

4-3.カウンセリングに誘導するための道具

整理すると、結局「安全基地はカウンセリングに誘導するための道具に過ぎない」ようにも思えます。

高橋和巳氏や工藤晋平氏などが依拠する「伝統的な愛着理論」や「精神医学」では安全基地はどのように捉えられているかはわかりませんが、

おそらく、このようなみじめな存在ではなかったはずです。

岡田氏の治療法で様々な精神的トラブルや生きづらさが解決すればそれで良いのかもしれませんが、それでは次回は

岡田氏の治療法で様々な精神的トラブル生きづらさが、果たして本当に解決できるのか(できないんじゃないか)

について見ていこうと思います。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】
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