なぜ医者は発達障害を「愛着障害」と診断したがるのか

カルテ

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今回のタイトルは精神科医の岡田尊司氏の著作『発達障害と呼ばないで』のキャッチコピーである、

なぜ医者は発達障害と診断したがるのか」をもじったものです。

※と言っても、発達障害を「愛着障害」と診断したがる医者は岡田氏くらいかもしれません。

隠れている「発達障害」を見抜くことが、専門家の腕の見せどころであるかのような感を呈した時期もあり、競うように「発達障害」の診断が下されたのである。

出典元:岡田尊司『発達障害と呼ばないで』

岡田氏は「競うように発達障害の診断を下す医者たち」に対して苦言を呈すのですが、

この批判は「競うように愛着障害の診断を下す医者たち」に対しても当てはまることです。

さらに言えば、「発達障害」よりも「愛着障害」の診断を下す方が医者にとってメリットがあります

もしかしたら今後、発達障害を「愛着障害」と診断したがる医者が増えていくかもしれないので、そのような時代に備えてこの記事を書きます。

※今回の記事も「愛着理論」の知識が前提となるので、

こちらも併せてお読みください。

1.愛着障害ビジネス

精神科医の工藤晋平氏は

このように一部の医者による「愛着障害ビジネス」を批判しているのですが、「愛着障害ビジネス」については

これらの記事でまとめたようにかなりエグイものです。

2.知識の普及

カウンセラー

さて、岡田氏は「なぜ発達障害と診断されるケースが増えたのか」の理由についてこのようにも言います。

発達障害についての知識が普及し、診断や治療を受ける人が増えた

出典元:同上

この発言も象徴的ですね。

愛着障害についての知識が普及すれば、診断や治療を受ける人が増えます。そして、カウンセリングで儲けることもできます。

岡田氏によると、

課題を抱えている人が真剣に向き合おうと思ったときには、せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、信頼できる専門家に助力を求めることをお勧めする。費用がかかったとしても、長い目で見ると、もっと大きな損失や危険を避けることにつながる。

出典元:岡田尊司『愛着障害の克服』

だそうです。

ちなみに、愛着障害の治療や克服の話題で必ず出てくると言っていい「安全基地」なのですが、

岡田氏が愛着障害についての知識を普及させる段階では「こんなに恐ろしい障害でも『安全基地』を頼ればいいから安心してね」

といった感じでしたが、いつの間にやら「愛着障害が怖ければ安全基地ではなくてカウンセラーを頼れ」という主張に変わってしまいました。

※厳密には「安全基地になれるのはカウンセラーぐらいだ」というニュアンスです。

3.適用範囲の拡大

カルテ

さらに岡田氏はこのようにも言います。

(発達障害の)診断の適用範囲が以前よりも拡大したことも、診断される人の数を押し上げていることは間違いない。

出典元:岡田尊司『発達障害と呼ばないで』

岡田尊司氏が愛着障害に対してやっているのもまさにコレです。

この記事で書いた通り、

精神医学界が認定している愛着障害はたった2つしかありません。

しかも工藤晋平氏には「日本には愛着障害者はほぼいない」とまで言っています。

それに対し岡田氏は様々な症状支障に愛着障害を適用しようとしているのです。具体的には

これらの記事でまとめたものなのですが、多くの人が「自分にも当てはまっている」と思うのではないでしょうか。

4.母親を追い詰めるため?

驚く母親

さらに、岡田氏の思想が見え隠れする箇所ここでしょう。

やはり、多くの専門家は、養育環境に原因を求めることには抵抗があり、親が責任を感じるような診断は、極力避けたいという気持ちがある。

出典元:同上

自信を失くし不安がっている親に、「お母さんの育て方のせいではありません」と言って、まず母親を重荷から解放し、元気にすることも必要になる。

出典元:同上

「発達障害」は生まれ持った障害です。

具体的には「ADHD(注意欠如/多動性障害)」や「自閉症」などがあり、重度・軽度など症状の深度もありますが、

子育てに関して言えることは、やはり「育てることの難しさ」や「発達障害の子」を持つ親ならではの苦労があるということです。

しかし

発達障害は生まれ持った障害という正しい認識を持てば、少なくとも「自分の育て方のせいで…」と思っている親の心は晴れます

ところが、岡田尊司氏が提案しているのは「一部の発達障害を愛着障害として考えよう」ということです。

愛着障害は親(特に母親)の育て方のせいで子どもに起こる様々な症状や支障や不幸のことを指します。

岡田尊司氏の著作の特徴は「もちろん親だけを責めているわけではない」と冒頭に主張しておきながら、

読み進めていくと結局「親(特に母親)が悪い」という結論に変わるところです。

そして、これは今回のタイトルでもある、

「なぜ医者(岡田尊司氏)は発達障害を『愛着障害』と診断したがるのか」に対する答えでもあります。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】
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