発達障害の毒親=「Dタイプの親」をご存知ですか?

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今回は「発達障害」と「愛着障害」そして「毒親」を結びつける非常に重要な概念である、「Dタイプの親」についてまとめていきます。

(※D=disability 障害。ここでは発達障害を指す。)

発達障害愛着障害の関係性については

  1. ある種の「発達障害の症状」とある種の「愛着障害の症状」が似ている
  2. 発達障害の親から育てられた子は愛着障害になりやすい。

という2通りの仕方で議論できます。多くの人はについて語りたがるのですが、重要なのはの方です。

なぜなら

のタイプの愛着障害は「発達障害の症状」に似ているからです。

※発達障害の症状と愛着障害の症状の類似性については後述します。

また、精神科医の水島広子氏が

私が臨床的に診てきた「毒親」で最も数が多いのは、実は発達障害の人たちです。

出典元:水島広子『「毒親」の正体』

と言っているように、発達障害の親は「毒親」とも関連しています。

※ここでの「発達障害」は軽度の発達障害、つまり「未定型発達」を指しています。「未定型発達」については後ほど詳しく。

そして愛着理論的に言えば、そのような親は「Dタイプの親」と呼ばれるのですが、詳しく解説していきましょう。

※なお「愛着理論」や「愛着障害」について、よくご存知でない方は

をご覧ください。

1.Dタイプの親の特徴

毒キノコ

Dタイプの親は「軽度の知的障害(軽度の発達障害)」を持っています。

あくまで「軽度」のため、他人や施設などからの保護は必要とせず、自立して生活しているので周りからは気付かれにくいのですが、

コミュニケーションを取ってみると違和感に気付くとのことです。

1-1.特徴を一言で言うと

空気が読めない、あるいは他人の気持ちが読めない

注意しなければならないのは、子どもや特定の相手だけではなく他人全体の気持ちが読めないのです。

他人や子どもの気持ちを読み取るという作業は、「自分を相手の立場に置き換えて、そこから相手の気持ちを推測する」という心理的に高度な作業が不可欠

出典元:高橋和巳『「母と子」という病』

なのですが、Dタイプの親はこの作業ができません。

意図的に気持ちを読まないのではなく、気持ちを読む能力自体がないわけですので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、

子どもに与える悪影響はかなり大きいのは否めません。

また、一応子どもの世話はできるのですが、自分のペースやってしまうのも特徴です。

自分がイライラしている時、忙しい時、余裕がない時には自分の子でも相手をするのを面倒に感じてしまいます。

例えば、せっかく母の日にカーネーションを貰ったとしても、その時に忙しくて心に余裕が無かったら

感謝をするどころか、そのカーネーションをほったらかしにして枯らしてしまうということもあるようです。

心に余裕が無い時には虐待をすることもあります。

「なんで昨日は怒らなかったのに今日はげんこつをされるんだ?」などと理不尽な思いをした方もいるかもしれません。

そういった行為により子どもを深く傷つけてしまうのがDタイプの親の特徴です。

1-2.軽度の発達障害と毒親

次は「軽度の発達障害」について見ていこうと思うのですが、軽度の発達障害は「非定型発達」とも言われます。

冒頭でも触れた通り、「毒親」で最も多いタイプが「非定型発達」だそうです。

彼ら(彼女ら)はそれなりに社会で機能しているので「障害」という言葉は当てはまらないのかもしれませんが、「非定型発達」であることはまちがいありません(非定型発達で、社会生活に障害を来すようになるレベルの人を、「発達障害」と呼びます)。

出典元:水島広子『「毒親」の正体』

軽度の発達障害の親は

心に余裕がない時にだけ毒親化し、かつ無自覚なのが特徴です。

「毒親化」というのがポイントで、先ほども触れた通り、一応子どもの世話はできるので

子どもに何らかのトラブルが起きれば診療所に連れていくこともします。

対して

激しい暴力を日常的にするような親は虐待が発覚するのを恐れ、診療所に子どもを連れて行くことはまずありません。

水島氏はそのような親を「真正の毒親」と呼び、子どもとの接触を断たせることが望ましいとしています。

1-3.真正の毒親との違い

これは非常に重要なポイントなので整理しておきましょう。

「真正の毒親」は自分の楽しみやストレス発散の為に虐待するのに対し、「Dタイプの毒親」は軽度の発達障害ゆえに自覚なしに虐待します。

このように、どちらの毒親も暴力や暴言などの虐待をするのですが、動機は違うようです。

虐待された子の目線から言えばどちらも悪いのですが、動機も合わせて考えたら「真正の毒親」の方が断然悪質でしょう。

真正の毒親」は他にも性的虐待金の無心、自分の楽しみを優先させた結果ネグレクトなども行うようです。対して、

「Dタイプの毒親」は子どもが大学生になって一人暮らしをする際なども、ちゃんとお金を工面します。

ただし

心に余裕がなくなったり、パニック状態になったら「誰のおかげで大学に行けているんだ!」というお決まりのフレーズを言います。

もちろん、自分なりに子どものことを想い、子育てをしているので「性的虐待」や「ネグレクト」などは行いません。

やはり、軽度の発達障害ゆえに子どもを傷つけてしまうということなのですが、それでは次に

「軽度の発達障害」は具体的にどのようなものなのかを見ていきましょう。

1-4.Dタイプの毒親が抱えた発達障害とは

発達障害の代表格と言われているのが、「ASD」と「ADHD」です。以下、特徴をまとめます。

1-4-1.ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー)

自分が理解したルールの範囲内でしか行動できない。

もっと詳しく言うと

  • 自分の意見が強すぎて、それを押し付けがちになったり、否定されたら激しく抵抗する。
  • 相手の表情や行動を読むことができない
  • 予想外のことに異常な警戒心を持つ。

などが挙げられます。

1-4-2.ADHD(注意欠如・多動性障害)

現在の自分が注意を奪われているものに沿って行動をする。

もっと詳しく言うと

  • 注意が奪われているもののみに集中してしまうため、約束を破ってしまいがちである。
  • 普段は相手の表情や行動を読めるが、パニック時だとそれが出来なくなり、攻撃的になる。

などが挙げられます。

2.愛着障害との関係性

Dタイプの親と愛着障害の関係性にも触れておきましょう。子どもが愛着障害になってしまうメカニズムについては

を読んで欲しいのですが、Dタイプの親は子を「反応性愛着障害」と「脱抑制型対人交流障害」にしてしまう可能性があります。

そして

この2つの愛着障害は発達障害の症状によく似ています

それくらい重い障害だというわけです。他には

チック抜け毛夜尿症離人症解離性障害などの神経症症状、うつ病パニック障害など

もDタイプの親によってもたらされる愛着障害の一種です。

※詳しくは

3.Dタイプの毒親【まとめ】

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以上が、軽度の発達障害をもつ親である「Dタイプの親」についてなのですが、

配慮の欠いた言動や気まぐれな言動を、自覚なしあるいはどうしても抑えきれずにしてしまうため、子どもはかなり苦しめられてしまいます。

しかし真正の毒親とは違い、自分のペースでではありますが子育てをやっており、子どものことを想ってもいるので

子どもも親を全否定することができないというケースも多いようです。

その結果

その子は毒親であっても怒りをぶつけることは出来ず、むしろ「好かれたい」と思い詰めるようになります。

そして愛着障害になってしまう可能性が高まるのです。また、

「毒親から離れたいけど見捨てられない」「嫌ってしまうのはかわいそう」という方の親は、実はDタイプだったのかもしれません。

真正の毒親論外なのですが、

Dタイプの毒親は精神科医によっても評価が変わります。例えばDタイプの毒親に苦しめられた人に対して、

愛着理論系の精神科医である高橋和巳氏はDタイプの毒親との絶縁を推奨しているようです。

愛着理論は「親(特に母親)の子育てによって子どもの一生はおおよそ決まる」と考えるので、

子育てを失敗するDタイプの毒親には非常に厳しいわけですね。

対する

毒親研究家でも知られている水島広子氏は「単に絶縁するだけでは解決にはならない」と主張しています。

次回は両者の意見をまとめるのですが、Dタイプの毒親に苦しめられた人はどちらの意見が正しいと思うかも含めて読んでみてください。

以上です。ありがとうございました。

※「愛着障害」に関する全記事はこちら

愛着障害【全知識】

※「毒親」に関する全記事(準備中)

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2 件のコメント

  • 元旦那が、明らかに虐待されてた(母は不倫していてパチンコ好きで家にほとんどおらず、育児放棄。それを父のせいにしてる)のに、いつも
    「お母さんは悪くない」「お母さんはなんだかんだ子供思い」みたいな幼稚な発言が多く、心理的な親離れも出来ておらず、それが原因で離婚しました。
    この記事を読んで腑に落ちました。

    その親と10代の頃に縁を切った元旦那の兄のことを、周りの人達が「あの子はマトモだ」と言っていたので、その意味がわかりました。

    ありがとうございました。

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